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“ゆるふわ愛国ポエム”に批判殺到の58歳人気声優、「外来種に喰われちゃった」を巡るバッシングに違和感のワケ

『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ役などで知られる声優、林原めぐみさんが6月8日に更新したブログが波紋を広げています。

波紋を呼んだブログの内容とは?

林原めぐみさん オフィシャルブログ

画像:林原めぐみ オフィシャルブログより

6月8日に更新した自身のブログで、訪日外国人について言及。 <日本ザリガニがあっという間に外来種に喰われちゃったみたいになってしまう>や、<人任せじゃなく ちゃんと選挙に行かなくちゃいけない『どうせ』とか『変わらない』は使ってる場合じゃないとこに来てしまっていると思う>と懸念を示しました。 日本から日本らしさが失われないようにするためにも、外国人に対して何らかの規制を設けるべきだと訴えた一連の発言が、「排外主義的なのではないか」として物議を醸し、結果として林原さんは後に一部の表現を削除しました。 <既に傷ついてしまった人に手は伸ばせないけれどこれ以上傷つく人が増えないように。こんな狭い文章では伝わらないと思うけれど、声を上げる事すら冷ややかに 日本が日本に[無関心]な事がとにかく悲しいと伝えたかった>と真意を説明しています。 ブログの内容だけでなく、彼女がこうした発言をするに至った経緯を含めて、各方面に波紋を広げています。

ザリガニの例えがもたらす「排外主義」の希釈効果

さて、このような論争が起きると、決まって「右翼」だとか「左翼」だとかと罵り合いが始まり、結局、お互いの接点を見出そうとすらしないまま、不毛な対立で終わってしまうことが少なくありません。どうやら、今回もそのケースのようです。 そこで、改めてこの一件の問題点を整理したいと思います。 まず、林原さんの発言について。彼女が日本の未来を案じ、マナーの悪い外国人から愛する祖国を守りたいと思うこと自体は、特に批判されるべきではありません。彼女の思いは個人の自由です。 ただし、問題なのは、彼女がその“愛国心”の正当性を示す根拠として、ザリガニの例を持ち出したことです。これには、大いに引っかかる部分があります。 なぜなら、動物の例を持ち出すことで、人間社会における民族主義や排外主義的な思想を薄める効果があるからです。 つまり、「人間も自然界の生物のひとつである以上、生命の法則に基づけば外国人が日本人を脅かす状況も不自然ではない」といった主張を、科学的なロジックにすり替えることが可能になってしまうのです。これが巧妙な論法の危うい点です。 林原さんが、そうした一種のアクロバティックな論法を、無知で純朴なふりをしながら巧みに展開しているように見えるため、正々堂々と問題を訴えているとは思いにくいのです。
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騒動の根本的な要因とは?
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